即決するために必要なのは、シンプルなルール。

人が迷うのは、選べる道が複数あるときです。

そんな時、いつも迷わず自分らしい方法を選ぶためには準備が必要です。

 

それは、あらかじめシンプルなルールを決めておくこと。

迷路から迷わず抜け出すための方法は、「常に右の壁に沿って歩くこと」。それを愚直にこなすことができれば、確実に抜け出すことができます。

シンプルなルールの利点

状況が常に変わっていたとしても、悩むうちに目的が変わってしまっては元も子もありません。たった一つの目的に集中するためのルールを、はじめに絞り込んでおくことが重要です。

なぜなら、誰だって目的はそう多くはないから。

あまりにも目的を細かく分けすぎると人間は混乱してしまいます。

 

絞り込まれたルールは具体的で、柔軟性があります。そして、シンプルであるほどに少なく、誰にでも共有できるものになります。

6種のルールを使い分ける

人が決断するためのステップは2段階。

  • 0か1かを見極めてから
  • 1の詳細を決めること

つまり、可能性のないやり方を切り捨てて、残ったもので具体的な方法を考えること。

次の6つのルールに従うことで、シンプルなルールをつくることができます。

可能性を上げるためのルール

●境界線ルール:可能性の有無 ●優先順位ルール:可能性の高いものを選ぶ ●停止ルール:損切をすること

具体案を決めるためのルール

●ハウツー:自ら制約を決めてしまう ●コーディネーション:他者との関係を保つ ●タイミング:いつ行うか

まず、何が重要か見極めることから。

例えば、災害時に出動した医療スタッフの目的は「出来る限り多くの人の命を救うこと」です。

そのためにできることは何かといえば、本当に治療を必要としている人。治療を受けることで、生き延びる可能性が大きく上がる人から助けること。

つまり、重篤な患者から処置を行うこと。

そうして出来上がったのが、災害時などに用いられるトリアージという仕組みです。

 

トリアージでは、5回の診断で患者の優先順位を決めることができます。そして、死亡者数を大きく減らすことができます。

引用元「 災害時救急救命支援に向けた電子トリアージシステムの設計開発

 

アメリカではベトナム戦争→イランイラク戦争の間にこの仕組みが取り入れられ、死亡者は半分以下にまで減りました。

シンプルだからこそ、このルールを導入することで多くの人を救うことができます。

 

まずは、本当に重要なことは何なのか決めること。

次に、そのために初めにすべきことを決めること。

最後に、具体的な行動に落とし込むこと。

それだけです。

参考にした本

この記事は、『SIMPLE RULES』という本を参考に書きました。

 

著者はMIT上級講師のドナルド・サルさんと、スタンフォード大学工学部教授のキャスリーン・アイゼンハートさん。

当たり前だけれど意外と出来ない「何事も基礎が大事」ということを、沢山の具体例を用いて解説されています。具体例があるから覚えやすく、読みやすい。とてもいい本です。