”特殊な性癖が詰め込まれた漫画”こと『メイドインアビス』の考察・オススメしたい見所を挙げてみた。

竹書房WEBコミックガンマで連載中、つくしあきひと先生の作品『メイドインアビス』。

僕はアニメを見てドハマりして、すぐに単行本も買ってしまいました。

 

その後、数人に単行本を貸してみたところ撃沈。

残酷で痛々しい表現が多かったり、ニッチな性癖が詰め込まれているので、万人受けする作品ではないことは分かります。

ニコニコ大百科にはこんな記述も。

単行本のカバー裏は毎度非常にはっちゃけた内容となっており、新巻が出るたびに特殊な性癖を持つ一部の紳士諸兄が熱狂している。 そうでなくとも世界観を補完する様々な設定が描き込まれているので、紙媒体で購入することをオススメしたい。

まあ、確かにヤバい。

主要人物はロリ・ショタ・ケモ。

やたらと匂いの描写が多いのに加え、表紙カバーの奥では性癖が暴走しています。

雑誌の袋とじみたいです。

一般的なモラルの壁を飛び越えた内容だから、友だち・家族・恋人に縁を切られても文句は言えないでしょう。

 

そして、絵の可愛さに反した度し難い内容。

グロテスクで目をそらしたくなるようなシーンも沢山あります。本当に救いが無い。

 

でも、見て楽しめるのはそこだけじゃないんですよね。登場人物みんなが、それぞれの目的に必死になって成長しているところが好きなんです。

リコが「いかに死ぬか」を考えて答えを出した。

その先にある冒険で何を感じるのか?そういうが好きで読んでいます。

https://life-is.club/abyss-comics-books/

 

そんな『メイドインアビス』について、独断と偏見で紹介したいと思います。

メイドインアビス』の簡単なあらすじ

好奇心旺盛で博識な女の子 リコと正体不明のロボット レグが、協力しながら謎の大穴を探検する話。

リコは機転を利かせて、レグは丈夫な体を使って、互いの足りないところを補いながら危険なアビスの中を進んでいきます。(重要)

人類最後の秘境と呼ばれる、未だ底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。その大穴の縁に作られた街には、アビスの探検を担う「探窟家」たちが暮らしていた。彼らは命がけの危険と引き換えに、日々の糧や超常の「遺物」、そして未知へのロマンを求め、今日も奈落に挑み続けている。 ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れていた。 リコはロボットにレグという名前を付け、孤児院の大人達の目を欺きながら、共に過ごすようになる。 レグが孤児院に入って2ヶ月が経つ頃、リコの母親であるライザの白笛と封書が地上に上がってくる。封書には、誰も見たことがない深層の生物の情報と「奈落の底で待つ」と書かれた紙が同封されており、その中にはレグに似たロボットのような絵も描かれていた。 ライザの封書を読んだ2人は、アビスの深層を目指すこととなる。リコは母親に会うために、レグは自分が何者なのか知るために。 Wikipediaより引用

その中で大切なものを失ったり、生命の危機にさらされるのだけれど、それでも前に進んでいきます。

それが、本当にえげつなく見えるからすごい。

 

読んでいる人を絶望的な気分にさせるマンガは沢山有るけれど、3巻19話を境に、これでもかというほどキツい状況が続くようになります。

“人の想い”の話

メイドインアビス』について話すとき、アビスの呪いの謎について話されることが多いように思います。確かに、どうなっているのかは謎だし、気になります。

でも、それ以上に見てほしいのはリコたちが完全に折れず、そこから立ち直るところなんです。

以下、ネタバレを含みます。 [temp id=5] アビスの中では力場が人の思考と連動しているという描写が、作中に何度かあります。 浅いところでは、力場を見て獲物の行動を予知する捕食者。もっと深くなると、ナナチやミーティの”呪いと祝福”。さらに、6巻(40話)から登場する“成れ果ての村イルぶる”。 ここでは人間性を喪失した(=人の姿をしていない)元探窟家が、それぞれの価値を貨幣に変えて生活を営んでいます。ある者は「小さなものに体を這わせること」、ある者は「自分の身体に管を通すこと」、ある者は「他者の身体を切り裂くこと」。それぞれの姿に応じた価値をもっています。 具体的に、それぞれがどう役に立っているのかは分かりません。けれど、自分の価値を使って誰かの欲を満たすことで市場が成り立っています。自分の価値では届かない欲を叶えることができます。村の中で欲とみなされるのは、「頭だけじゃ足りない もっと深い…かかわりも含めた魂の信号」。 「ここで命を差し出し成れ果てると縛られてここからは出られなくなる」「けど代わりに、欲に応じた姿と守りをもらえる」見知った世界をすべて捨てて、たった一つやりたいことのために自分の全てを変えてしまう。僕はそう解釈して、なんだか出家みたいだなと思いつきました。自分に置き換えて、「もし一つだけ、自分の身体を捨ててでも没頭したい何かがあるならなんだろうな。」と考えたりもしました。 そこで読み返してみると、冒険を通してリコの考え方は何度か大きく変わっています。 ●孤児院で見習いだったころは、ただお母さんの影を追っていた。 ●監視基地シーカーキャンプでは、自らの生い立ちと手紙についての事実を知った。 ●前線基地イドフロントでは、プルシュカとの会話で自身の本音に気付いた。 傷を負いながらも少しづつ、「自分が本当は何をしたいのか」が具体的になっているんです。 [temp id=6]

相棒と協力してとてつもない困難に立ち向かいながらも、自分の欲求に素直に向き合ってるリコってすごく魅力的なキャラクターだと思いませんか?

 

これは以前、つくし先生がラジオで話されていた内容にもつながります。

「リコとレグ、ナナチが残酷な目に会ったり、とても痛くつらい目に会うシーンを考えたり描いたりしている際、つくし先生はどのような気持ちで書いているのでしょうか。」というリスナーからの質問に対しての回答。   ワクワクしてますね。(間髪入れず) けがは冒険に必要なことですから。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ とにかく、キャラクターが一番して欲しくないことをする。 命は、暗い闇の中においてこそ光輝くんですよ。(ニコニコ)

この辺り、すごく共感します。

失ったものが多きければ大きいほど、立ち上がったときに得られるものは大きくなる。

 

一つ失って一つ手に入れて、その先にどういう結末が待っているのか。そもそも、ハッピーエンドなのか。何がどうならハッピーなのか。

 

リコは、アビスにとっては異物です。

ロボットでアビスの呪いの影響を受けないレグとは違います。

協力し合っていた二人の在り方が最終的にどうなってしまうのか。とても気になります。

ストーリーの考察

メイドインアビス』は、元々仕掛け絵本として同人で発表する予定だったそうです(コミック1巻参照)

完結までの筋道は既に決まっているようなので、初めから読み返すとたくさんの伏線が貼られています。どこを見ても、それなりに筋は通っているはず。

 

読み返してみれば、“あとから見ると重要だった伏線”も見つかります。

そういうところもこのマンガの面白いところ。

https://life-is.club/abyss-1kan-hukusen/

 

なので、考察した記事を書いています。

話を自分なりに想像した話をまとめてみるのも、結構楽しいですね。

https://life-is.club/about-made-in-abyss/

https://life-is.club/abyss-2000/

https://life-is.club/abyss/